山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

34w4d  切迫早産入院11日目 退院延期

いよいよ点滴を抜いて、内服薬に切り替える。

寝る前に、流産した時の自分のブログを読みながら、色々と思い起こしていたら、今のこの状況は幸せに向かっているのだというイメージが湧いてきた。

強く気持ちを持たなければいけないなと、勇気すら湧いてきた気がする。

それでもやっぱり朝はドキドキ。なんとなくそわそわしていたけれど。

 

もう一つ気になるのが、昨夜、水っぽいおりものが出たこと。

その場でナースコールをすればよかったのに、しなかったために、長い時間心配することになった。夫には「せっかく病院にいる意味がないよ」と叱られた。本当に、その通り。

なんでぱっと聞けないのだろう。

以前、母親学級で助産師さんが、「何か異変があったときは考えずにまず電話!」と話していたのが頭をよぎる。今、ここから、その精神でこの子を守らなければ。

 

さて、診察の結果。
・昨日のおりものは破水ではない。
・子宮頸管長…10mm!
・赤ちゃんの頭は変わらず下りている。
・かぶれがあるので、消毒用の塗り薬を出してもらう。
・子宮口は閉じている。

 

先生は、

「悪い変化はないよ。もともと子宮頸管長は短いからね。赤ちゃんの頭も下りてきているけど、お腹の張りさえなければ生まれないからね。退院して大丈夫だよ。」

とのこと。

ここまでくると、もう頚管長とか、赤ちゃんの位置とか、そういうことよりも、いかに張りをコントロールできるかにかかっていると、そんな印象を受けた。

信頼している先生の言葉はやっぱり心強い。すぐにでも退院OKというかんじだったけれど、心配なので、お願いして明日までは入院させてもらうことになった。

 

その後のモニター検査は、30分で3回の張りがあった。富士山級の張りはなし。北岳(日本二番目に高い山)くらい。


看護師さん&助産師さんからは、こんな言葉をいただいた。

「張るかなーと思ってると張るからね。気持ちも大事だよ。」
「点滴とってるからね、張るのは一つの当然の反応だからね。」
「せっかく入院してるから、あまりに張ったり、お腹が痛くなったら発信してね。また点滴にしてもらえるように先生にお願いもできるし、モニターで確認もできるし。まだ油断しちゃだめだよ。」 

こちらも、とっても心強い。

気持ちを強く持って、慎重に。

 

ところで、今日は新月

新月の日には、願い事が叶うらしい。

出産と月には大きな関係があるようだから、私も願い事をすることにした。

「完了形で書く」と良いということで、その通りに手帳に願い事を書いてみた。

すると、なんだかだんだんと気持ちが明るくなってくる。本当にそうなるんだ!という気持ちになった。

そのあと、義母とラインをしていて、そこでも「強く気持ちを持ってれば、なんでも思い通りよ(笑)がんばって!」と言ってもらい、そんな気がしてきた。

 

夕方のモニターは、30分できれいに4回張った。でも腹痛もないし、大丈夫だろうと思っていた。

17:00頃、母が面会に来てくれた。少し話し始めたその時に…「こちらです」という声がして、カーテンが開くと先生が。

「張りが多いね。点滴を1週間やり直そう。まだ産まれちゃうと早すぎるから。来週になったら、張っても取るよ。」

と。

えええ!退院延期!?

「はい」

と返事するのが早いか、早速点滴が用意されて、また24時間点滴の身となった。

 

点滴を打たれている間、つーっと涙が流れた。そのあとも、母の前で泣いてしまった。静かに泣いたつもりだけど、数日前から移ってきた隣の人には分かっちゃっただろうな。

しばらく、なぜか涙が止まらなかった。

 

家にいたところで寝たきりのつもりだったし、病院のほうが安心なのも分かっている。赤ちゃんが今生まれてきてしまう方が一大事だ。しかも、たったの1週間。

ぜーんぶ分かっているのに。

入院生活は言うほど過酷ではない。

 

それなのに、この涙はなんだろう。

「家」って、「家族」って、すごいものなんだな。

 

長い1日だった。なんだか今日は疲れた。

夜のモニターは、皮肉にも点滴のおかげか、まったく張らなかった。