山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

出産の記録2 陣痛室にて

陣痛室に着くと、まずモニターをつけてもらい、お腹の張りの間隔を確認。

痛みがやってくるのと同時にお腹が張り、さらに赤ちゃんの動きも見られる。

「張りと赤ちゃんの動きが連動してるでしょ?頭が下がってきてるよー。これはもう陣痛だわ!点滴をどうするか先生に判断してもらおう!」…と言われるが早いか、生暖かい液体が流れ出るのが分かり、「多分…破水しました」と報告しました。

試験紙ですぐに調べてくれている様子。

「破水だ。点滴を切り替えよう」と、リトドリンとはここで突然のお別れ。

今までありがとう!

先生からも点滴中でも破水の可能性があると説明を受けていたから驚きはしなかったけれど、張り止めの薬を点滴していても、来る時は来るんだなと思いました。

点滴を抜いたあとの張り返しを恐れたり、そのまま陣痛になってしまったらと心配していた気持ちはどこへやら、その時が来てしまえば覚悟は決まるものでした。

 

当直の先生が到着。何回か診てもらったクールな先生。

「子宮口6センチ開いてるね。このまま出産になりますよ!」

6センチ!それって結構進んでる状態では…⁈

あそこでナースコールしておいてよかった…!

「旦那さんには立ち会ってもらいますか?両親学級に参加して申し込んだ?」

「はい」

「じゃあ、こちらから電話するね」

「お願いします」

とやりとりするも、まだ明け方。夫は電話に出ず、私がかけ直すことに。しっかり電話番号を押したのに、出たのは女の人で「???」という反応。

間違えた!

「こんな時間にすみません…」などとやりとりしているところで、夫が病院にかけ直してくれた様子。すぐに向かってくれるとのことでした。

 

夫が来るまでの間、張り止めから抗生物質?へ点滴を交換してもらう。

助産師さんにナプキンを替えてもらったりしていると、「先生6センチって言ってたけど、これは8センチだわ!進みが早いね。超安産よ!」と励ましの言葉が。

どこかで「切迫早産に耐えた妊婦さんには、出産が早いというご褒美がある」というのを見たことがあるけど、これのこと?と思いながら、痛みの波に耐える。

ベッドの柵がちょうど良い位置にあって、それをググーッと掴んで、脚をゆらゆらさせると、いくらか楽になるような感じ。

 

そうこうしているうちに15分ほどで夫が到着。

顔を見てほっとする。

奇跡的に、タクシーが1台つかまったとのこと。

間に合ってよかった。

何回かの痛みを夫とやり過ごす。腰のあたりを押してもらうと、たしかに楽なような気がした。

 

「ううう…なんだかトイレに行きたい。出産の時に一緒に出ちゃいそうな気がする…」と、夫と話していると、助産師さんに「まだトイレに行きたいような感覚はないよね?」と声をかけられる。

グッドタイミングです!と思いながら、「いや!今行きたいです!」と返事。

 

これを合図に、分娩台へ上がることになりました。