山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

流産から1年

ちょうど一年前のこと。

真っ暗な部屋でこの先どうなるんだろうと、夢のような現実のような、よくわからない気持ちで過ごしたことを思い出します。

流産という大きく悲しく辛い出来事は、あっという間に起こって、嵐のように過ぎ去っていきました。

 

そして、一年。

今、私の腕の中には、すくすくと健やかに成長している息子がいます。

不思議なもので、予定日は去年流産したその日でした。

早産になって1ヶ月早く外の世界に出てきた息子ですが、なんのその、がんばって大きくなってくれています。

 

1ヶ月検診は自由に予約を入れられたので、出産予定日、去年流産した日に決めました。

母子ともに順調とのことに、感謝です。

 

流産は決して前向きな出来事ではないし、経験しないに越したことはありません。

でも、あの経験は無駄ではなかったと思えます。

月並みな言葉ですが、早いお別れになったあの子は、生命の誕生が当たり前ではないこと、その尊さを教えてくれました。

この妊娠・出産を通して、何度流産の時のことを思い出したことか。あの経験があったから、「これくらいは大丈夫」とがんばれたこともあったし、「軽く見てはいけないな」と慎重になれたこともありました。

 

そして、いつか誰かが同じことで悲しみ悩んでいたら。何もできないかもしれないけれど、1年前の自分の気持ちを思い出すことはできるでしょう。

 

あの日のことを忘れずに、息子をしっかり愛していきたいと思います。