山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

授乳トラブル

一番近くで産後の私を見ていた母をはじめ、私の回りに「母乳でがんばりなさい!」と言う人は一人もいませんでした。そういう言葉で苦しい思いをした(している)方もいるはずなので、その点は本当に恵まれていたと思います。
それでも、私自身は、ずっと「このままでいいのだろうか」「いつか母乳育児に移行できるのではないか」「私の頑張りが足りないのでは」という悶々とした気持ちを抱えたまま、毎回の授乳時に、母乳→ミルクとするスタイルでの混合授乳を続けていました。
その気持ちが現れるように、頑張れそうと思ったときにはミルクの量を数日減らし、お腹をすかせているのではと不安になるとミルクの量を増やし、と全然安定しない授乳を続けていました。


実家から自宅に戻ると、思うように母乳が出ない上、外にもいけず、やや元気のない私に、夫がよくデザートを買ってきてくれるようになりました。それからは、それなりに食生活にも気を付けていましたが、励ましてくれる気持ちが嬉しくて、毎日少しずつ甘いものを食べていました。

このことが原因だったのかは定かではありませんが、自宅に戻ってしばらくすると、授乳時につーんとした痛みを感じるようになりました。
よくよく自分の胸を観察すると…白いポツンとしたものが。もしかして、これが「白斑(母乳が詰まったときにできる白い斑点)」というもの!?はじめの頃はすぐになくなったり現れたり、という感じでしたが、徐々に手強いものができるようになりました。
ひどいときは、気が遠くなるくらいの刺すような痛みを伴う時もあり、冷や汗をかきながらの授乳。しけれど、治すためには吸わせるしかない。そう思って、ただひたすら時が経つのを耐えて待つ、という日々が続きました。
授乳の時間が近づいてくるのがこわくて、息子に「痛いよー!」と泣いて訴えたりしたことも。
吸わせる姿勢を変えたり、搾乳器を試してみたり、自分でしこりをマッサージをしたり、ハーブティーを飲んだり…。自分でできることは片っ端から試しました。

そのうち、胸にしこりができるのがこわくて、常に自分の胸をチェックするようになりました。ずっと胸のことを考えていて、おかしくなりそうでした。
「母乳がよく出るなら、詰まってしまったりすることもあるかもしれないけれど、なんで思うように母乳が出ない上に詰まらなけらばいけないのか」そんなことを思ったりもしました。

本当に毎日がどんよりとして暗かった。

幸い、母や友人たちがちょこちょこ遊びに来てくれていたので、定期的に気分を晴らしてくれる機会があり、なんとか気持ちを保っていられたように思います。
授乳以外については、それほど辛いことはなかったし、息子が生まれてきてくれたことを感謝する毎日でした。

でも、当時の私には、この唯一の悩みが大きくて辛くて。徐々に「ミルクだけにしたい」と思うようになっていきました。