山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

子どもを持つという決心

周りに親になる友人が増えてきても、私はもうしばらくいいかなと思っていた。焦らないと言ったらうそになるけれど、それ以上の理由が私にはあり、自然に「子どもがほしい」と思えるのを待って決心した。

「理由」と言っても個人的なものだ。

私たち夫婦は付き合い始めて1年半くらいで入籍したので、まだまだ2人だけでの時間を過ごしたいと思っていた。さらに「登山」と出会って、子どもができたらやっぱりしばらくはできなくなるので、どうしても登りたいと思っていた山に挑戦するまでは「子どもがほしい」という気持ちがクリアにならなかった。

そのかわり、こういうふうに心に決めた。

「すぐに子どもができなくても、今の時間を後悔しないこと。」

「子どもに何かあったら、それをすべて受け入れること。」

高齢出産も目前。だからこそ、しっかりと覚悟をしておくことにした。

そう決めたら気持ちが楽になった。

今の職場は断然、子どものいる人が多い。その中にいると、なぜか子どものいない自分に焦ることがあった。いずれ、と思っているからこそ、早く決心しない自分の選択を肯定できなかったのだと思う。

でも、覚悟を決めたら自分の選択に自信が出てきて、本当に目標の山に登頂したあと、自然と「そろそろいいかな」と思えるようになっていた。