山が待っている。

「流産」という山から、わが子を腕に抱いて下山できました。どんな山も無事に下山できるように。ひとつひとつをクリアする過程を書いていきます。

両親への感謝

自分のために。

病院から帰った日の夕方、母親が林檎を持って顔を見にきてくれた。顔を見た瞬間にどっと涙が流れた。声を聞くだけでも泣けてしまうし、母の料理の味には声をあげて泣いた。
母という存在の大きさを実感することがたくさんあった。
数日に一度は必ず体を気遣うメールをくれて、仕事に復帰してからも週末には食事を作りに来てくれた。
でも、私と話している時間の方がずっと長かったから、きっと私がふさぎこんでいないか様子を見にきてくれていたのだと思う。
「元気になれるようにお願いしてきたから」と、願いが叶うというお守りの鈴をくれた。
どれだけ私のことを想ってくれているかがよくわかる。当たり前だけれど、私は母から生まれたのだと、温かい気持ちになる。

母がいてくれて本当に良かったと何度思ったことか。
いつかまた妊娠できて、無事に出産できたら、母のようなお母さんになりたいと心から思う。

父は、たくさんのノンカフェインの栄養ドリンクを持ってやってきた。夫の分の栄養ドリンクも一緒に。
ぐっと私を抱きしめて「がんばったな」と一言。あとは、前を向いていこう、ということを話してくれた。
よく「妊娠できる体ということがわかってよかった」という言葉が流産後には辛いというけれど、父の言うそれはまったくそんなことはなく、素直に受け止めることができた。
父の顔を見て、また泣いた。
私と母と二人きりにしようとする心遣いもまた、ありがたかった。

いつか、必ず、両親に孫を会わせたい。

がんばるよ。
ありがとう。